シチリアへの憧憬・・・その4
昨日の記事「シチリアへの憧憬・・・その3」の続きです。
タオルミナで一晩過ごした翌朝は爽やかな朝を迎えました。
天気は快晴、気温・湿度とも文句なしの絶好の朝です。
ホテルのオープンテラスで朝食を取った後は、お目当てのギリシャ劇場へと向かいます。
フロントでギリシャ劇場の場所を聞くと、何とホテルの背中にあるそうです。
(歩いて30秒~1分)
開場と同時に入場し、またも絶景のロケーションに感激して、
ぼんやりと「この劇場ってギリシャ劇場と言うくらいだから、ギリシャ統治時代の建造物だよな・・・」、
「って事は紀元前か!」、
「今から2000年以上前にあの急な丘を登って、この劇場を建設したっていう事か?!」、
「・・・・・・・・・」
と余りのスケールの大きさに圧倒されて、ただ平伏すのみでした。
エトナ山の方に目を向けると、
「エッ!何あれ!」と目を疑いたくなる建物がありました。
遥か遠くの山の中腹に白い建物が・・・。
後で聞いたらそれは城だそうで、その周辺にもカステルモーラという町があるそうです。
その町にはタオルミナの旧市街地への道よりもっと細い道をバスが通っているそうで・・・。
話を聞いているだけで頭がクラクラして来ました。
この丘の上に石造りの町や劇場を築いただけでも圧倒されているというのに、
更にこの先の山にも城と町を築いたというのか・・・。(絶句)
いやはや何ともスケールの大きいと言うか、
古代人の情熱と言うか、
言葉が見つからないままギリシャ劇場に寝そべる私でした。
さて、タオルミナに圧倒されて満喫した(?)私は、
11:00のバスでカターニャに移動するべく昨日到着したバスターミナルへ向かいました。
バスは11:00定刻通りに一路カターニャ空港に向けて出発です。
所要時間は1時間20分。
タオルミナの坂道を下り、駅前を通過して、タオルミナとエトナ山を後にしました。
ほぼ定刻通りにカターニャ空港にバスは到着し、
ナポリ空港へ出発するために搭乗手続きをしていたら、
係員が済まなそうな顔で、
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係員「お客様、誠に済みませんが整備に不具合がありましたので出発は1時間遅れになります。よろしいでしょうか?」
と聞いてきました。
私「仕方ないですね。分かりました。」
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と答えるしかありません。
手続きを済ませて、出発ロビーでビールでも飲んでユックリしようかな?
と考えていた私は手荷物検査を通過してロビーへと向かったのですが・・・。
そこは人、人、人で立錐の余地も無いほど溢れかえっていました。
「何じゃ、こりゃ~ッ!」と、思わず故松田優作口調になり、呆然とする私。
聞けば2時間待ちの人も多く、皆疲れて諦めムードが充満していました。
「んまァ~、最後にまたしてもシチリアにやられてしまった!」、
「こんな事だったら船にすりゃ良かった!」と、
秋田生まれの東洋人は嘆くのでした。
ようやくナポリ行き搭乗アナウンスが鳴って搭乗出来ましたが、
時間は1時間30分遅れでした。
ナポリ空港に降り立ったら、そこは雨。
雨のナポリです。
空港からバスに乗って市内へと向かったのですが、未だホテルを決めていませんでした。
ナポリもこの時が初めてでしたが、「まあ、中央駅周辺であれば何とかなるだろう」
と考えて駅前に向かいましたが、
このバスの運転手が凄い!
前の車との車間距離を殆ど開けずにビュンビュン飛ばして運転します。
(私には前の車を煽っている風にしか見えませんでした)
そして通行人も凄い!
横断歩道なんて洒落たものはナポリに無いから、
高速で走行する車と車との僅かな隙を見つけて、ダッシュして道路を横断します。
殆ど自殺行為に近いです。
スリリングなドライブを楽しんで(?)バスは終点、ナポリ中央駅に到着しました。
傘も無くコートの襟を立てて、シトシト降る雨に濡れながらホテルを探して、
駅近くのカブールと言うホテルに宿を取りました。
「あ~っ、やっとこれで一安心!」と思い、荷物を部屋に置いて夕食に出かけました。
「ここはピィッツァの本場ナポリ。やっぱピィッツァしか無いでしょう!」と、
ピィッツァ屋を探して市内をうろつき、それらしき店を発見しました。
店名はDa Michele(ダ・ミケーレ)。
店前は入店待ちしているお客もいて、なかなか繁盛している様子です。
暫く待った後、入店しましたが、メニューは2品のみ。
至ってシンプル!
ピィッツァ・マルゲリータとビールを注文して、ほんの2~3分で直径30~35cmはあろうか
(メジャー持参していなかったから、あくまで目測ですが)
という巨大ピィッツァがテーブルに置かれました!
すんごい迫力です。
こんなもん食べれるのか?と思ったのですが、食べれました。(笑)
大きいのに意外とあっさりしていて、トマトソースが美味しく、サクサクとスナック感覚でいけてしまいました。
ビールとの相性もバッチリで、お腹一杯になり、
小降りになった雨の中をホテルへと踵を返す私でした。
ホテルが近くなるにつれて、何だか嫌な雰囲気になってきました。
もうそろそろ夜10:00です。
にも拘らずナポリ人は元気なのです。
もっと分かり易く言うとウルサイのです。
ナポリ中央駅前はロータリーのようになっていて、車がひっきりなしに通るのです。
そして、皆がやたらとクラクションを鳴らし立てるのです。
“キュキュキュ~”と急発進でタイヤが摩擦する音、
“キーッ”という急ブレーキの音、
“ビッ、ビッ、ビ~ッ”、“パホパホ~”というクラクションの音、
“ウィ~ン”というパトカーのサイレンの音、
“ピーポー、パーポー”という救急車の音、
“ってやんで~、バッキャロ~”という酔っ払いの罵声や怒号・・・、
これらが全てミックスされて延々深夜まで続くのです。
ようやく静かになって眠りに就けたのはAM3:00を回っていました。
フウ~、暫し休息・・・。(寝)
でも朝7:00には元気な(うるさい)ナポリの復活でした!
翌日は2000年の封印から目覚めたポンペイ遺跡、
ナポリ以外では経験出来ないナポリ人の摩訶不思議行動に再びカルチャー・ショックを受ける事になるのですが、
その話は後日に。
ところで、秋田は雪が降っていません。
このままではもう時期開催される冬の国体が心配です。
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コメント
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シチリアへの憧憬1〜4、楽しく読ませていただきました。
写真もきれいでいいですね!
わたしも行きたくなっちゃいます^^
投稿: 隊長 | 2007年1月 7日 (日) 23時26分
隊長様
ありがとうございます。
シチリアはとっても奥が深いです。
今までの固定観念を取り払ってくれます。
タオルミナの絶景は昼も夜も素晴らしいですよ。
是非、行ってみて下さい!
投稿: 秋田杉 | 2007年1月 8日 (月) 02時01分