昨日Ub-Xのブログを拝見していましたら、
マイケル・ラドフォード監督作品「IL POSTINO」【イル・ポスティーノ】の記事を発見しました。
http://ub-x.txt-nifty.com/blog/2007/01/_ichi.html
この映画がお好きな様子で、ヨーロッパ映画ファンの私にとっては非常に嬉しいです。
マッシモ・トロイージ扮する、主人公マリオの純真無垢な心に打たれます。
そしてこの映画のクランク・アップ12時間後に心臓病で急逝したマッシモ・トロイージ・・・。
41歳でした。
イタリアを代表するコメディアンでもあった彼の若すぎる突然の死は、
多くの欧州人に悲しみを齎しました。
そんな彼の最後の演技は、彼の「人間性」、「優しさ」、「誇り」が滲み出ていて、
私達に残してくれた宝物の様な気がします。
漁師を拒み郵便配達人の仕事を選択したマリオは、
詩人であるパブロと出会った事から、
漁師の仕事の尊さを知り、
毎日何の変哲も無い退屈な島と思っていた島が実はとても美しいものだった事に気付き、
ベアトリーチェという女性に恋をする・・・。
そして時代は動き、時が経ち、
再び島を訪れたパブロはマリオの死を知る・・・。
結末としては悲劇的なのですが、
映画のテーマの美しさ、風景の美しさ、演技の見事さが相まって
見終えた感想はとても爽やかになれる珠玉の一本です。
(何だか「男はつらいよ」に通じるものを感じるのは私だけでしょうか?)
後で知った事なのですが、
この映画の撮影地はナポリ南西沖に浮かぶ島“プロチダ島”だったそうで、そんな事を全く知らない私はノーテンキに半日だけこの島を訪れた事がありました。
イタリア南部POZZUOLI(ポッズウォリ:ソフィア・ローレンの故郷として有名)に行った時、
気紛れに船で訪れました。
とても小さな島でしたが、欧米人には人気があるみたいで、
観光客と思わしき方々も結構多かった記憶があります。
もしかしたら、この映画「イル・ポスティーノ」に憧れて来た人達だったのかも知れません・・・。
プロチダ島を訪れたのがこの映画を見る前だったか、
後だったかは覚えていませんが、
ベアトリーチェの酒場には行ってみたかったな!
今ではその事が悔やまれてなりません。
島は映画同様に美しい自然が残り、
ゆっくりと時間が流れ、
住民は各々の生活を楽しむ・・・、
そんな印象の島でした。
それにしてもイタリア・コメディアンはこのマッシモ・トロイージ然り、
ロベルト・ベニーニ(ライフ・イズ・ビューティフルでアカデミー主演男優賞受賞)然り、
どうしてあれ程人の心を掴む良い演技が出来るのでしょうか?
本当に感心します。
さて、「イル・ポスティーノ」と同様の展開を持つイタリア映画の古典的名作と言ったら・・・、
何と言ってもフェデリコ・フェリーニ監督作品「LA STRADA」【道】でしょう。
粗野で野蛮な「ザンパノ」と
知的障害者「ジェルソミーナ」が旅芸人として、
イタリア各地を回り、
その旅の途中でザンパノはジェルソミーナを置き去りにして捨てて行きます。
それから時が経ち、ある町でジェルソミーナが口ずさんでいた歌を聴いたザンパノは、
ジェルソミーナが悲劇的な死を遂げた事を知り・・・、
と言った展開です。
「道」の音楽は確かニーノ・ロータだったと思います。
この音楽も何処と無く郷愁を誘う感じで良いです!
薄幸の人生を送ったジェルソミーナに涙するか、
不器用で後悔だらけの人生を送るザンパノに涙するか?
それはこの映画を観る方次第です。
「イル・ポスティーノ」を見て未だ「道」を見ていない人は是非、「道」もご覧下さい。
色んな共通点や面白い発見があると思います。
あ~、まだまだ書きたい事がありますが、また次回にします!
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