挑戦!米国大陸(ニューヨーク編Ⅵ)
今日は先日の記事挑戦!米国大陸(ニューヨーク編Ⅴ)の続きです。
マンハッタン音楽院で迂闊にも熟睡してしまった私は一人、深夜のニューヨークを徒歩でうろつく羽目になってしまいました。
“ん~、帰りの方角は分からないし、近くに人もいないし(深夜のニューヨークだから当たり前)、困ったな~ッ!”と思いながら、トボトボと間違ってダウンタウンに向かって歩き出しました。
ニューヨークの夜はなかなかスリリング!
暫くすると何だか怪しい雰囲気になってきました。
そう、良く映画等で見かける、いわゆるニューヨークの危ない雰囲気です。
“ん、何だか雰囲気が変わったな・・・?”
と思ったのですが、
“まあ、何とかなるさ!”
と、相変わらずのマイ・ペースでうろついていました。
すると・・・、
前方には体格の良い黒人風のお兄さん達がタムロしていました。
“ア・ラ・ラ・・・、チト、ヤバイかも・・・”
ここで貧相な秋田県人は引き返そうかとも思ったのですが、「猛獣に背中を見せてはいけない」と何処かで見た記事を思い出し(関係あるのか?)、お兄さん達に向かって行きました。
お兄さん達も“不思議な貧相な東洋人”が向かって来るのに少し驚いた様子で、何やらコソコソ話をしていました。
4~5人はいたでしょうか、皆身長180cm以上、体重100kgはあろうかという体躯をしています。
そんな黒人のお兄さん達に向かって、
“実はホテルに帰りたいのだが、道に迷ってしまって帰れないんだ。道を教えてくれないか?”
と素直に聞いたところ、
“教え賃は高いゼ!”
と凄まれてしまいました。
“そこのところ、何とかヨロシク頼むよ!”
と言ったら、
“お前の持っているその紙袋を出しな!”
との返答。
“イ、イヤ・・・。コレハ・・・。”
と拒んでいると、脇から“パクッ”と黒い手が私の紙袋をさらっていきました。
“オッ、コレは!”
と少し驚いているお兄さん達。
“お前、ジャズが好きなのか?!”
と聞かれ、
“ハ、ハイ・・・。”と答える私。
(実はマンハッタン音楽院に行く前にCDショップに寄ってジャズCDを購入していたのでした)
“誰が好きなんだ?”
“ハ、ハイ・・・、え~と、デューク・エリントン、カウント・ベイシー、クリフォード・ブラウン、ウイントン・マルサリス、ジョン・コルトレーン、セロニアス・モンク、ハービー・ハンコック、クインシー・ジョーンズ・・・”
と答えると、
“OK、OK・・・。分かった!俺達黒人の音楽をアジア人であるお前が理解を示してくれた。そんなお前が困っているのなら助けてやろう!”
と、嬉しいお言葉!
そんな訳で数人と連れ立って広い通りまで歩いて行き、そこでタクシーを無事拾う事が出来ました。
タクシーのドライバーは深夜のニューヨークで貧相な東洋人と屈強な黒人達との光景に少し驚いた様子で、
“アンタ、大丈夫なのかい?”、“怪我はないかい?”、”お金は取られなかったのかい?”・・・
と、しきりに心配してくれましたが事の顛末を話すと、
“ホ~、そんな事もあるのかい!”
と、少し感心した様子でした。
ここまで来りゃ~、もう大丈夫だぜ!
無事ニューヨーク・ヒルトンホテルへタクシーは到着し、なんだかんだの濃い一日を終えて、ニューヨーク3日目の夜は終わるのでした・・・。
※それにしても貴重(?)な経験でした。今でも振り返ると冷や汗が出そうになります。(-""-;)
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